企業型DC・iDeCo・新NISAの税優遇の違い

日本の確定拠出年金制度は大きく分けると企業を通じて掛金を拠出する企業型と個人が掛金を拠出する個人型(iDeCo)の二つの種類があります。

資産形成としての節税効果がより高いのは企業型?個人型?どちらでしょうか?

 

企業型の掛金は税法上全額損金となるため拠出時に課税されません。

そのため会社が拠出しているお金が100%運用にまわります。一方でiDeCoの場合は個人が受け取った給与から拠出するため、所得税・住民税を控除された手取りのお金が運用にまわります。そのためiDeCoの場合、課税され控除された分は運用されないため※、企業型より運用効率は悪くなります。

(※例えば所得税5%・住民税10%とした場合、15%の資金は運用にまわりません。個人型の税優遇は給与から拠出する場合、一旦課税され年末調整や確定申告により所得税が還付される仕組みです。)

 

さらに2024年から拡充された新NISAに給与から積立投資する場合、企業型DCと比較すると資産形成としての節税効果がより高いのはどちらでしょうか?

 

新NISAでiDeCoと同じく給与から積立する場合、課税された手取りのお金で積立することになりますので、企業型DCのような拠出時の非課税効果はありません。

 

拠出時点(積立時)の税優遇は『企業型DC>iDeCo>新NISA』の順で優遇度が高い、そして運用中はどの制度も非課税なので『企業型DC=iDeCo=新NISA』で、どの制度も運用中の利益には課税されません。

 

一方、受取り時点で比較すると企業型DCや個人型(iDeCo)は退職所得控除や公的年金等控除という税優遇があるものの、その控除額を超えた部分は課税されます。新NISAは拠出時(積立時)に既に課税されているため受取時には、元本はもちろん利益に対しても課税されません。

 

税優遇の側面だけでみると企業型DCが退職所得控除等の範囲内で受取るのであれば、拠出時・運用時ともに非課税のため最強の税優遇と言えますが、60歳まで原則現金化できないなどの留意点があります。また運用商品の選択肢は企業型DCの場合、企業が契約している運営管理機関が提示する商品の中から選択することになりますが、iDeCoや新NISAは加入者が自分で運営管理機関や金融機関を選ぶことができます。将来のための資産形成を考えるときには税優遇の違いだけでなく、ご自身のライフプランにあった活用の仕方を総合的に考える必要があります。

 

LV総研 シニア共同パートナー 至田勝紀